たち夫婦は結婚して二年程になるのですが、
最近、大きな変化がありました。
奥さんの腹の中に
新しい命を授かったのです
それはあまりにも唐突にやってきた、
あまりにも大きな変化でした。
妊娠が判明したのが早かったので、
超音波写真に写し出された赤ちゃんは、
まだ直径1cmくらいの袋に入った、ただのマルみたいな状態でした。
頭も胴体もうでもあしもない、
ただのマルなんです。
ただのマルなんですけどね、
これがすごく愛おしいのです。
ミーはその写真を見ては大喜びし、
奥さんのお腹に耳をあてて様子をうかがってみたり…
まだ人の形もしていないオレたちの息子は、
もちろん俺や家内に何かをしてくれるわけもなく、
ただ妻の腹の中にいるだけです。
なのですが、
それがもう理屈抜きにうれしくて、
愛おしくて、幸せなのです。
わしはこのお子様に対して断言することができます。
「君には存在するだけで愛される価値があるよ」って。
それは、他の何にも代え難い尊い価値です。
おれたちの娘がいつそれを理解できるのかはわかりませんが、
理解できるようになった時に「そうなんだ」って思えるように、
今からいっぱい浴びせ掛けてやろうと思っています。
妊娠を知った友達達や親父・母親からは、
「おめでとう!」「かわいいんだろうね~」「早く会わせてね!」
という数十通の祝福メッセージが次々と届きました。
まだ会ったこともない、ただのマルが、
多くの人にめちゃくちゃ愛されているんですよね。
それは、ただのマルのくせに
わたしたち夫婦より人気があることに
嫉妬してスネてしまうほどの愛されようです。